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イベントレポート:巨大参加型アート空間『未来の都市をつくろう』

イベントレポート:巨大参加型アート空間『未来の都市をつくろう』

■つみき遊びのようにみんなでひとつの「未来の都市」をつくろう!

未来を紡ぐプロジェクト 彫刻家 西村卓×エスケー鉱産 巨大参加型アート空間『未来の都市をつくろう』

2024年7月23日(火)

 

未来の都市をつくろう_フライヤー_おもて

 

本イベントは、エスケー鉱産が製品加工を委託している岐阜県と愛知県の複数の工場を、彫刻家・西村卓が見学し、そこで得たインスピレーションから制作した参加型アート空間(インスタレーション)を発表するイベントの第二弾です。

 

 

岐阜市の みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 みんなのギャラリーにて、砂、レンガ、石、木、布、紐など、私たちの“衣・食・住”を支える素材を使って、お子様たちが思い描く「未来の都市」をつみき遊びのように作るワークショップを開催しました。

 

 

 

■衣食住にまつわる材料たち

【衣】未利用生地

未利用生地

150年以上に亘りファッション業界を牽引し続ける繊維専門商社、瀧定名古屋株式会社様よりご提供いただきました。テキスタイルやアパレル製品の企画開発から仕入・生産・販売までを一貫して手がけられています。
製品の仕上がりチェック等に使用される布のサンプルは、役目を終えると使い道がなく捨てられてきました。

 

【食】ライスレジン製フラットヤーン

地球にやさしいお米のプラスチックでできた農業用の紐です。鋳造製品分野における「モノづくり」のサポートを主体に事業を推進している複合商社、草野産業株式会社様よりご提供いただきました。事業内容は多岐にわたり、ライスレジン用の資源米の生産もそのひとつです。

 

【住】レンガ

廃炉となった焼成窯が解体された使用済みレンガです。岐阜県恵那市にある、粘土や鉱物の粉砕加工会社、株式会社西尾クレー様にご協力いただきました。廃棄耐火煉瓦を選別して商品化することで産業廃棄物を減らすリユース・リサイクル事業も展開されています。

 

【住】玉石

鉱物の粒を小さくする粉砕機のひとつに、ボールミルという大きな機械があります。ボールミルの中に鉱物といっしょに玉石をいれて回転させることで粉砕します。役目を終えて小さくなった玉石は丸くてすべすべしており、景観用に再利用されています。株式会社西尾クレー様にご協力いただきました。

 

【住】カラフルな木材

彫刻家の西村卓さんが大きな作品を制作したときに切った木のカケラです。
西村さんはそういったカケラも捨てずに大切に使っています。

 

【住】カラーサンド

硅砂という白い砂に色をつけています。
今回は青、緑、白の砂をご用意しました。

 

 

■有限の資源と無限の創造力

朝10時のオープンから途切れることなく、たくさんの方にご参加いただきました。

 

 

そのため、早い段階ではじめに設置した材料はほとんどなくなってしまいました。

使える材料がなくなっても、参加者の皆様は他の方が作り終えた建造物を解体して使うということはできなかったようです。

そこで、作り終えて帰宅された方の建造物をエスケー鉱産の社員が順次解体して材料に戻し、そこからまた次に来られたお子様たちが新しい建造物を作る、というサイクルが生まれました。

 

 

限りある資源が会場内で循環している光景は、まさに「未来を紡ぐプロジェクト」で思い描いていることや、エスケー鉱産が日頃取り組んでいる業務の本質的な部分を体現しているようでした。

 

 

他にも、参加されたお子様たちが、西村さんやスタッフの想像を超える材料の使い方を編み出していた様子は印象的でした。

 

 

例えば、今回ご用意したカラーサンドは青、緑、白の3色のみの限られた色数だったため、レンガを削って赤色の砂を作り出すお子様が現れました。

布を材料としてではなく、風呂敷や台車のように物を運ぶ道具として使い始めるお子様もおられ、限りある資源の中からお子様たちのクリエイティブなアイディアがご紹介しきれないほど飛び交っていました。

 

 

■作品展示『砂遊び×新時代のコンクリートアート』

探究型学童保育ヒトノネさんで開催したイベント第一弾『ものづくりの湯』のワークショップで小学生と大学生の皆様が制作した作品、メタカオリン製ジオポリマーを使用した新時代のコンクリートアートを展示しました。

 

 

『ものづくりの湯』の企画に関しては、その場のイベントの盛り上がりやエンタメで終わらせずに、お子様たちの表現物を質の高い形で大切に展示することで、丁寧な美術体験・鑑賞体験をお子様たちと共有することができたと感じております。

ワークショップの盛り上がりに比べて作品展示は地味な取り組みと捉えられることもありますが、とりわけ「未来を紡ぐ」という言葉を冠する本プロジェクトにおいては重要な要素を担っていました。

 

 

■謝辞

たった1日限りのイベントでしたが、入れ替わり立ち替わりおよそ300〜400人のお子様や保護者のみなさまにご来場いただきました。

巨大参加型アート空間『未来の都市をつくろう』の開催に際して、資材提供や運搬などで応援していただいた協賛・協力企業の皆様や、その他様々な形で支えてくださった大勢の皆様のお力添えなしには、本イベントを成功させることはできませんでした。
心より感謝申し上げます。

 

 

好評につき、来年の夏休みには日数を増やして開催できるよう検討しています。
今後とも温かいご支援ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 

YouTubeでは西村さんが星野とともに数々の工場へ突撃する様子や、イベント第一段『ものづくりの湯』の様子などをご覧いただくことができます。
巨大参加型アート空間『未来の都市をつくろう』の様子を撮影した動画もスタッフが鋭意編集中です。
ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

 

▶︎YouTube