■循環する世界の冒険者たちよ
未来を紡ぐプロジェクト TAKU NISHIMURA×エスケー鉱産 巨大参加型アート空間『未来の都市をつくろう』
2025年8月9日(土)-8月11日(月/祝)
本イベントは、エスケー鉱産が製品加工を委託している岐阜県と愛知県の複数の工場を、彫刻家・TAKU NISHIMURAが見学し、そこで得たインスピレーションから制作した参加型アート空間(インスタレーション)を発表するものです。
2024年7月に岐阜市で開催した同イベントの1回目のレポートはこちらをご覧ください。
2025年は名古屋市の市民ギャラリー矢田 第1展示室にて、砂、レンガ、石、木、布、紐など、私たちの“衣・食・住”を支える素材を使って、お子様たちが思い描く「未来の都市」をつみき遊びのように作るワークショップを開催しました。
今年で2回目となる本イベントには、3日間で延べ856名のお子様と大人の皆さまにご来場いただき、会場は笑顔と活気に包まれました。
■衣食住にまつわる材料たち
昨年に引き続き、協賛・協力企業の皆さまに様々な材料をご提供いただきました。
【衣】未利用生地
150年以上に亘りファッション業界を牽引し続ける繊維専門商社、瀧定名古屋株式会社様よりご提供いただきました。テキスタイルやアパレル製品の企画開発から仕入・生産・販売までを一貫して手がけられています。
製品の仕上がりチェック等に使用される布のサンプルは、役目を終えると使い道がなく捨てられてきました。
【食】ライスレジン製フラットヤーン
地球にやさしいお米のプラスチックでできた農業用の紐です。鋳造製品分野における「モノづくり」のサポートを主体に事業を推進している複合商社、草野産業株式会社様よりご提供いただきました。事業内容は多岐にわたり、ライスレジン用の資源米の生産もそのひとつです。
【食】タルク
タルクは、やわらかく滑らかな性質を持つ鉱物です。食品分野では、チューインガムの表面をコーティングする粉や、キャンディやチョコレートが互いに付着しないようにする用途など、お菓子製造の工程で活用されています。また、陶磁器の製造においては、タルクを加えることで表面がなめらかになり、白く美しい仕上がりの食器を作ることができます。さらに、耐熱性や絶縁性に優れていることから、工業製品をはじめ多様な分野で利用されています。
今回は弊社取り扱いのタルクの中から、お子様の手のひらに合う小さいサイズのものをご用意しました。
【住】レンガ
廃炉となった焼成窯が解体された使用済みレンガです。岐阜県恵那市にある、粘土や鉱物の粉砕加工会社、株式会社西尾クレー様にご協力いただきました。廃棄耐火煉瓦を選別して商品化することで産業廃棄物を減らすリユース・リサイクル事業も展開されています。
【住】玉石
鉱物の粒を小さくする粉砕機のひとつに、ボールミルという大きな機械があります。ボールミルの中に鉱物といっしょに玉石をいれて回転させることで粉砕します。役目を終えて小さくなった玉石は丸くてすべすべしており、景観用に再利用されています。株式会社西尾クレー様にご協力いただきました。
【住】カラフルな木材
彫刻家のTAKU NISHIMURAさんが大きな作品を制作したときに切った木のカケラです。
TAKU NISHIMURAさんはそういったカケラも捨てずに大切に使っています。
【住】カラーサンド
硅砂という白い砂に色をつけています。
今回は青、緑、白の砂をご用意しました。
そして、今年の目玉として新しく登場したのは、“夜”になると光る「夜光石の鉱山」と、布で作った「坑道トンネル」です。
鉱産物を取り扱う、弊社の主要なフィールドのひとつである“鉱山”の要素が加わることで、表現する世界観がさらに広がりました。
【夜光石の鉱山】
石膏と蓄光顔料で作られたミニ鉱山。道具を使って採掘することができる、露天掘りをイメージしたエリアです。採掘した夜光石は「未来の都市」の材料に使うことができます。
【坑道トンネル】
布で作られた小さなトンネル内をブラックライトを持って探索するアトラクション。坑道の奥には 3 種類の石のカケラが布に埋まっていて、採掘するとお宝アイテムとして1人ひとつ持ち帰ることができる、坑道掘りをイメージしたエリアです。
希望された方にはドリルで穴を開けてペンダントにしてお渡ししました。
また、メインイベントに先駆けて、8月7日(木)-8日9日(金)には「夜光石の鉱山」と「坑道トンネル」の公開制作を行いました。
■多彩な材料と自由な発想
参加者の皆さまは本物の資源に触れ、その重さや質感、夜光石の淡い光を感じながら、自由に想像を膨らませておいででした。
特に、夜光石の鉱山の採掘と、砕いた夜光石のカケラはお子様たちの心を掴み、とてつもない集中力で何時間も採掘し続けるお子様もいらっしゃいました。
今年の会場は、照明が切り替わると、表情をガラッと変えます。
“夜”の暗い時間に夜光石の光り方を確認し、“昼”の明るい時間にその光を頭の中でイメージしながら都市づくりをするプロセスは、昼と夜という二つの時間を往復しながら考える体験となり、お子様たちの想像力が深まっているご様子でした。
そして、次々と姿を現す「未来の都市」には、海や川などの自然と共生するエリアや、遊びや学びの拠点となる広場、街と街をつなぐ道など、人々の暮らしや文化の息吹を感じずにはいられない景色が数多く盛り込まれました。
離れて眺めればひとつの大きな世界が広がり、近づけば細やかな工夫や物語が立ち上がってきます。
■みなさまのお声
童心に帰ってお子様以上に遊んでくださる保護者の方もたくさんいらっしゃいました。
そんな自分のお父さんやお母さんの姿を見るお子様たちのお顔は、どの子もとっても嬉しそうで、大人と子どもが一緒になって楽しめる場の大切さを改めて実感します。
■MIRA-TSUM GROW
『未来の都市をつくろう』は、営利を目的とせず、できるだけすべてのお子様たちに開かれた遊び場であることを大切にしています。
参加無料・予約不要にこだわり、誰でもふらっと立ち寄れて、直感的にワクワクできる、お子様たちの原体験となる場を目指しています。
その志と運営の中で課題となっているのが、持続的な活動資金と、遊び終わった資源のゆくえです。
レンガや玉石などは、そのまま綺麗に整えて提供元へお返しできるのですが、カラーサンドはすっかり色が混ざってしまい、翌年のイベントでの再利用が難しい状態となります。
そうした中から生まれたのが、こちらのMIRA-TSUM GROW(ミラツムグロウ)。
昨年の『未来の都市をつくろう』で使われ、本来なら捨てられるはずだった“砂”をアップサイクルして作ったオリジナル植木鉢に、ハイドロボールとたねをセットした「水耕栽培キット」を会場で販売しました。
– CONCEPT –
選ぶ。植える。育てる。
小さな始まりが未来へと続く営みになる。
どうかこの先も、あなたの感性が、確かに、あふれ出す時間が続きますように。
植木鉢の中には、以下の3種類のたねのうち、ランダムでどれか1つが眠っています。
・バジル
・ルッコラ
・リーフレタス
選んだミラツムグロウから何が芽吹くかは、育ててからのお楽しみ。
また、植木鉢の製作技術は、弊社取り扱いのSKメタカオリンを使用したジオポリマーです。
ジオポリマーは新時代のコンクリートとして研究が進められている最新技術で、従来のコンクリートの材料であるセメントよりも、製造時の二酸化炭素の排出量が少ないなどの利点があります。
ミラツムグロウには、あえて“価値(価格)”を決めず、いただいたドネーションで来年の『未来の都市をつくろう』の開催につなげる試みを行いました。
■資源と未来を考えるきっかけに
エスケー鉱産では、資源の有効活用や循環型社会の実現に向けた取り組みを続けています。本イベントはその一環として、お子様たちに遊びを通して「限りある資源の未来」と「日本のものづくりの精神」を楽しく体験していただく場として企画しています。
現実の「未来の都市」をつくっていく次の世代のお子様たちの心に、遊びを通して何らかの種をまくことができれば幸いです。
■謝辞
本イベントの開催にあたり、多大なるご支援とご協力を賜りました協賛・協力企業の皆さまに、心より感謝申し上げます。
また、会場運営やサポートに尽力いただいたボランティアの皆さま、そして共催として会場を提供してくださった(公財)名古屋市文化振興事業団 [市民ギャラリー矢田]の皆さまにも、深く御礼申し上げます。
皆さまのお力添えがあってこそ、お子様たちにとってかけがえのない遊びと体験の場を実現することができました。
エスケー鉱産は、これからも地域の皆さまと共に学び合い、未来を紡ぐ活動を続けてまいります。
YouTubeではTAKU NISHIMURAさんが弊社代表の星野とともに数々の工場へ突撃する様子や、昨年の『未来の都市をつくろう』の様子などをご覧いただくことができます。
今年の『未来の都市をつくろう』を撮影したアーカイブ動画も追って投稿予定です。
ぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。
