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創業者である父のことについて

創業者である父のことについて

—エスケー鉱産株式会社

代表取締役 星野大輔

 

創業者である父、星野勲のことについて書いてみようと思います。
思えば開発一筋50余年、生涯現役を貫いた人でした。

元々はサラリーマンとして開発に携わり、当時発展途上であった中国北部の鉱産物の用途開発をテーマとして定年まで勤め上げ、60歳を過ぎてもなお鉱産物の開発を続けていきたいと、今のエスケー鉱産を2002年に起業しました。

 

■開発への情熱、関わる人々への愛

起業以来、父はとにかく開発に命をかけ、時には儲けなど考えずに邁進しておりました。息子である私は入社以降、そんな父と幾度となく衝突し、その度に酒を飲み交わしてはお互いに矛を収めたものです。

父は自分の会社を起業してもなお、当時在籍していた会社の未来を案じ、そこで働く従業員のことを家族のように心配していました。
また、心の底から中国を、中国人を愛していたと思います。失敗や裏切りに何度となくあってきましたが、それでも私から見ると無上の愛と言っても過言ではないほどの思いがあったような気がします。

■開発一筋、駆け抜けた父

80歳を目前としてもその熱意は衰えず、「開発テーマを持って中国へ行くんだ!」と意気込んでおりました。

そんな矢先の2020年2月、父に白血病の宣告が下されたのです。家族にとっても突然の宣告で、とても信じられない気持ちでした。

そう簡単に倒れることはないはずだと思っていたのですが、それから半年もたたずに、あっという間に旅立ってしまいました。新型コロナ感染の第2波が迫る2020年7月のことでした。

■父から受け継いだもの

亡くなるまでの日々、体調の悪い父の病室で二人きりで過ごした数日は、今振り返るととても貴重な時間であったと思います。

幼少期以来、父と二人でゆっくり過ごす経験などなかったため、夜半ふと、幼少期の寝物語で聞いた若い頃の苦労話、過去お付き合いのあった方からの父の話、一緒に仕事をしてきた中で感じた仕事に対する価値観など、いろいろなことを反芻しておりました。

父の半生を想像しながら病室で眠れぬ夜を過ごしたことが、今の私の仕事への思いを構成する大事な要素になっていると思います。

創業者 鉱山にて